農福[ノウフク]って知ってますか?

新しい社会デザインのしくみで、全国に[福]を拡げる…

全国でひろがりをみせる「ノウ(自然、農林水産業)とフク(人、福祉)の連携」は、様々な地域課題の解決方法のひとつとして注目され、生産者、消費者、地域コミュニティ、行政、企業、学校、コーディネーターなど様々な立場の人が繋がり・影響しあいながら持続可能な世界を目指す取り組みです。

今村製茶は「ノウフクJAS」のお茶を生産しています

今村製茶ではお茶の生産工程において障害を持つ方々にお手伝いをいただいています。

◆ノウフクJAS規格とは?

「ノウフクJAS」は、2019年に制定された日本農林規格です。
既存の農産物のブランドのように産地や品種・栽培方法による[モノの価値]を軸としたブランドではなく、農産物を生産する背景に障害を持つ方だけでなく関わる全ての人が「自他の多様性を受け入れる」といった[社会的な価値]を軸としたブランドです。

農福[ノウフク]との出会い

気がついたら「ノウフク」になっていた…

実は、私たち今村製茶は、はじめから「農福連携を活用しよう!」と思い取り組んだのではありません。
ほんのちょっとしたきっかけとご縁が繋がり、福祉施設の利用者さんに今村製茶の農作業の一部を手伝っていただくことになりました。その過程で、農業と福祉が連携していく取組が実は「農福連携」と呼ばれるものだと後に知ったのです。

”どろんこ遊び”が繋いだ小さなきっかけ

私の子どもが通っている保育園では、毎年「農業体験(子どもたちにとってはまさにどろんこ遊び)」があります。その農業体験の日に、何度か顔を合わすようになり親しくなっていた副園長先生との何気ない会話の中で、保育園のグループ会社の中に「農業法人」があることを知りました。
人手不足に悩んでいた私はそれとなく「年に一回でも良いので、農作業の一部を少し手伝ってもらうことってできたりします?」と聞いてみました。すると、あれよあれよと話が進み福祉施設の利用者さんに、今村製茶の農作業の一部をお手伝いをしてもらえるようになったのです。

農福[ノウフク]への想い…

助けてもらいながら、共に学ばせてもらっている

年々深刻化する担い手不足が茶業界の大きな課題となっている中、私たち今村製茶も同様に慢性的な人手不足(特に一番茶の季節)に悩んでいました。
そのような中、ご縁があり「農福連携」という取り組みを知り、2021年3月から鹿屋市の敬心グループ(株式会社ひまわり農苑・自立支援センター太陽の丘)さんの協力を得て、障がいを持つ方々に農作業の一部を助けてもらっています。

利用者(施設を利用している方)の皆さんは、個性豊かな方が多く、ある種の”自由さ”をもっています。その自由さは私たちが追い求める「すべての人の幸せ」を体現されていると感じるときがあります。
例えば、気持ちいい風が吹くと少し休憩をしたり、興味のあることが起きると気になってしょうがなかったり、自身が納得いくまで突き詰める姿など…利用者さんの行動から「自分自身に正直であることの大切さ」を見せていただいていると感じます。

だからこそ、私たちは”お互いを理解し尊重できる環境”をつくるために成果を求めすぎることをせず、心地よい空間でお仕事ができるよう利用者さんだけの空間をつくり、お任せしています。

”お茶に関わる全ての人の幸せをつくる”

茶業者である私たち今村製茶にとって、利用者さんは人手不足が深刻化するこの茶業界において私たちの手助けをしてくれるありがたい存在であり、ただただ感謝しかありません。

また利用者さんにとっては、いつもと環境の違う茶畑で自然とふれあいながら働くことで社会との接点をつくる機会を提供できているのではないかと思っています。

これから先、人口が減り人手不足が深刻な問題となっていくこの日本において、農福[ノウフク]というプロジェクトは茶業界だけにかぎらず全ての農業において大切な取り組みの一つとなると確信しています。

写真提供:敬心グループ(株式会社ひまわり農苑自立支援センター太陽の丘

 

農福[ノウフク]への取り組み

農福連携へのチャレンジ

私たち今村製茶は、鹿屋市にある敬心グループ(株式会社ひまわり農苑・自立支援センター太陽の丘)と連携をし2020年3月に農福連携へのチャレンジをスタートしました。

お仕事は寒冷紗(かんれいしゃ)の「張り」と「はぎ」や「除草・落ち葉拾い」といった作業をお願いをしており、今後は「ALL一番茶プロジェクト」を展開していく中で、お仕事のお願いをする領域を拡大していき、それぞれが個性と能力を発揮できる環境をつくっていきたいと考えています。

ストレス無くお仕事をしてもらいたいから…


多種多様な利用者さんがいらっしゃるため、指導員の方との打ち合わせはもちろん、作業手順の作成、写真をつかった更に詳細な手順書の作成などをすることで、利用者さんがお仕事をする上で困ることがないように、少しずつではありますができるところから仕組み化に取り組んでいます。

利用者さんがストレス無くお仕事をして頂ける環境をつくることは、私たち今村製茶の生産効率が上がることにもつながるのです。






最近チェックした商品